MT5の月別損益を比べるなら、まず「どの日を月分けの基準にするか」を決めます。
この記事では、架空の取引履歴を決済dealの表示日時で月別に集計し、部分決済・費用・入出金を分けて照合します。
これは本稿の架空台帳で採用する集計ルールです。MT5の全レポートや税務上の月区分に共通する唯一の式ではありません。
入出金は取引損益と別に記録します。
MT5取引履歴の月別損益を、決済日基準で表にする
取引履歴から月別損益を確認するとき、知りたいのは、期間をどう保存するかだけではありません。
取引履歴のどの日付を基準に月へ振り分けるか、費用や入出金を損益とどう分離するかで、月の数字は変わって見えます。
ここでは、すでに手元にある履歴を使って、月次表の組み立て方を具体例で説明します。
公式レポートの月別表示と自作表は集計方法が異なる
MetaTrader 5の公式Trading Reportは、Profit/Lossの結果をdealまたは金額で月別・年別に見られると説明しています。
ただし、このページの表示と自分で作る表の集計ルールが、あらゆるCSV出力や税務上の記録で同じとは限りません。
本稿では比較しやすいよう、決済イベントに対応する「表示日時」が属する月に、その決済分の確定損益を置く方法を例示します。
月跨ぎポジションの全損益を建玉開始月へ戻す方法とは違います。
保存操作ではなく、記録を月次表に整える
最初に確認するのは、対象口座、口座通貨、期間、日時の基準、利益・損失の費用包含、入出金の別欄です。
保存画面の開き方や長期間の履歴を分割して保存する手順はここでは繰り返しません。
必要なときはMT5取引履歴の保存方法を確認し、この記事では記録から月別の一覧を作ります。

架空の履歴を、月別の確定損益にまとめる
以下は口座通貨が円の架空台帳です。
説明を簡単にするため、利益・損失の額は対象決済部分に対応する総損益、commission・swap・feeは符号付きの配賦額とし、各費用は一度だけ反映済みと仮定します。
MT5から出力した実データではなく、すべて説明用の数値です。
計算列は架空の配賦ルールとして明示
| 表示日時 | 建玉例 | 決済部分 | Profit例 | Commission配賦 | Swap配賦 | Fee配賦 | 本稿ルールの損益 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2/28 | A | 一部決済 | +4,000 | −100 | +10 | −10 | +3,900 |
| 3/1 | A | 残りを決済 | −2,000 | −80 | +20 | −10 | −2,070 |
| 3/1 | B | 全決済 | +1,200 | −50 | 0 | −10 | +1,140 |
| 3/31 | C | 一部決済 | +500 | −50 | −5 | 0 | +445 |
| 4/1 | C | 残りを決済 | +1,500 | −80 | −10 | −10 | +1,400 |
この説明台帳では各行を「Profit+Commission配賦+Swap配賦+Fee配賦」で計算しています。
例えば2月28日は4,000−100+10−10=3,900円です。
これは架空の列を足し合わせた教材上のルールです。
MetaQuotes公式が、どの取引履歴出力でもこの式を月次損益の共通式として定めている、という意味ではありません。
MQL5のDeal Propertiesでは、dealの時刻・entry区分と、profit・commission・swap・feeは別々の属性として扱われます。
属性値の取得例はMQL5 HistoryDealGetDoubleにもあります。
実際の画面やCSVでは、費用が決済dealに付くか、別の残高操作として記録されるか、符号がどのように表されるかを確認してください。
列の意味が分からないまま単純加算すると、費用を抜かしたり二重に引いたりするおそれがあります。
決済イベントの月次合計と入出金を別々に表示
| 月 | 該当する決済行 | 月の取引損益 | 入金 | 出金 | 月末残高例 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2月 | 2/28の一部決済 | +3,900円 | +50,000円 | 0円 | 153,900円 |
| 3月 | 3/1のA・B、3/31のC一部 | −485円 | 0円 | −20,000円 | 133,415円 |
| 4月 | 4/1のC残り決済 | +1,400円 | 0円 | 0円 | 134,815円 |
| 合計 | 同じ架空期間 | +4,815円 | +50,000円 | −20,000円 | 134,815円 |
月末残高例は、期首100,000円から始まり、表中の取引損益と入出金だけが反映され、期末に未決済損益やその他の残高操作がないとした単純な照合値です。
2月は100,000+3,900+50,000=153,900円。
3月は153,900−485−20,000=133,415円、4月は133,415+1,400=134,815円です。
実口座の残高は配当・調整・別計上の費用などでも変動します。
creditの含め方も対象レポートの定義を確認してください。
未決済の含み損益は通常Balanceへ含めず、Equityとの違いとして確認します。
この単純な一致式だけで実口座を説明できるとは限りません。

決済日時・タイムゾーン・月境界を揃える
建玉開始日ではなく決済日を使う架空集計ルール
月別表は、日付の基準を決めずに作ると再現できません。
本稿の例では、各決済dealの表示日時が含まれる月へ、その決済分の損益を置きました。
ポジションを開いた日や履歴を保存した日を使うルールではありません。
決済済み損益をどの月で追うのかを、先に記録します。
月末はタイムゾーンを固定して判断する
「2月末の決済」が自分の基準時刻では3月初めに当たる場合、集計結果の月が変わることがあります。
MT5の画面・業者のサーバー時刻・パソコンや表計算のタイムゾーンが同一とは限らないため、表示時刻をそのまま日本時間と断定しないでください。
まず一つの基準タイムゾーンを決め、月末の境界を同じ基準で処理します。
サーバー時刻と日本時刻、夏時間の整理はMT5の時刻を日本時間へ換算する記事が補助になります。
月をまたいで保有した建玉は、全決済までの損益を一つの月へまとめる方法と、部分決済ごとに各月へ記録する方法で数字が違います。
どちらか一方が全目的に正しいとせず、何を比較したい表なのかに合わせ、毎月同じルールを続けてください。
約定時刻・表示日付が不明瞭な行は、推測で月へ振らず「要確認」と分けておきます。
部分決済・反転・費用を重複させない
部分決済と残りの決済は別イベントに分ける
MT5の資料では、Dealは注文に基づく取引操作の実行記録で、DEAL_ENTRYにはentry、exit、reverseなどの区分があります。
ポジションを段階的に閉じれば、決済部分ごとに損益が記録されることがあります。
本稿の例ではAとCの一部決済・残りの決済を別々の行として、実現した部分の損益を各日時の月へ置きました。
建玉全体の合計と各決済行の損益を重ねて足さず、実現した決済分を一回だけ集計するのがポイントです。
部分決済の操作自体はMT5で部分決済する記事をご覧ください。
費用の符号とレポート欄を確認する
また、画面の「Profit/Loss」「Gross Profit」「Commission」「Swap」などは名前が似ていても集計範囲が違うことがあります。
MT5公式Trading Reportでは、Profit/LossのProfitとLossはswapとcommissionを含む説明です。
Gross Profit/Gross Lossはswap・commissionを除く説明です。
Summaryと月別Profit/Lossの列を混ぜたり、すでに費用を含む純損益に費用列をもう一度足したりしないようにします。
費用には負の符号だけでなく、swapの受払など正の値が記録されることもあります。
データ上の符号を読み、値の絶対額を機械的に「差し引く」と決めないでください。
commissionやfeeの計上時点が新規・決済・別の残高操作に分かれている場合は、月次取引損益の経済的な配賦と、実際に残高へ計上された月を別々に記録します。
例の配賦額は、記録形式に合わせて費用を一度だけ割り当てた学習用の値です。
Profit Factorは、別の損益指標です。月別に利益と損失を分けた後で比率を確認するときは、期間と費用定義を揃えてください。
PFの式を月次損益表の合計額と取り違えないよう、必要ならMT5のProfit Factor計算方法を参照します。

口座通貨と入出金を分けて照合する
口座通貨を確認してから合算
MT5のレポートで金額を見るときは、まずその口座で使う表示通貨を確認します。
本稿の例はすべて円です。実際に口座通貨と銘柄の損益通貨が違う場合、履歴やレポートの表示通貨・換算の条件を確認してください。
元の明細がドル建てなのか円換算済みなのか不明なまま合算しないことが重要です。
通貨換算レートや換算時刻はこの架空例から推定できません。
入出金・残高操作は取引損益から分離
入金・出金・credit・調整などを取引損益へ混ぜると、「今月の取引で増えた額」と「口座に入った現金の額」の区別が崩れます。
MQL5のDeal種別には取引売買以外にbalance、credit、charge、correction、commissionなどもあります。
該当行を見つけたら、今回の月別損益に含めるものか、別の残高操作として表示するものか、帳票の説明で確認します。
また、スワップやcommissionの経済的な費用帰属を決済月に配分する考え方と、帳簿・口座明細で実際に計上された日付は一致しない場合があります。
月ごとの現金増減を調べる表と、保有期間の取引採算を比べる表では、費用をどの月に置くかの目的が異なります。
両方が必要なら同じ列に無理にまとめず、別表または別列で管理します。
月別損益表を作った後の照合チェック
- 対象期間と口座を固定
口座、取引履歴の範囲、口座通貨、決済日時に使うタイムゾーンを表の先頭に書きます。
- 決済行を分類
取引のexit・partial exit・reverseとentryのみの行、balance/credit/charge等の残高操作を見分けます。
- 月境界を統一
各決済表示日時を同じタイムゾーンの暦月へ入れ、月跨ぎの残り決済を建玉開始月へ戻すかを勝手に変更しません。
- 通貨と符号を確認
profit等の表示通貨、commission・swap・feeの符号、費用が別列か損益へ包含済みかを確認します。
- 入出金は別欄へ
月の取引損益に現金入金を利益として足したり、出金を取引損失として数えたりしません。
- 部分決済を二重計上しない
部分決済と残り決済を各一回だけ集計し、Position IDやチケットなどで元記録との対応を確かめます。
- 残高との差を説明
月初残高+取引損益+入出金だけで月末残高に合わないときは、creditの包含・別計上費用・配当・調整等を確認し、無理に一致させません。
未決済損益を含むEquityとBalanceを混同しないようにします。
口座/口座通貨:__ 集計期間:__ 時刻基準:__
月:__ 決済行数:__ 取引損益:__ 入金:__ 出金:__
費用の符号・包含:__ 部分決済/月跨ぎ:__
月初残高+取引損益+入出金と月末残高の差:__/確認状態:__
表を保存する場合は、元の明細を残したまま集計表を別に作り、計算に使った列とルールを書き添えます。
履歴の再取得や対象期間の調整が必要なら履歴保存の記事へ戻り、同じ資料内で月次ルールを二つ作らないようにします。
よくある質問
MT5の月別損益は、何の日付で月分けしますか?
目的と対象レポートを確認して、基準日を先に決めます。
本稿の架空例は、決済dealの表示日時を決めたタイムゾーンの月へ割り当てるルールです。
全帳票や税務に共通する唯一のルールとはしていません。
月をまたいだポジションは、建てた月に計上しますか?
この例では決済部分ごとの表示日時が属する月へ記録します。
建玉開始月へ全損益を寄せる方法も集計目的によってあり得るため、比較する表のルールを統一してください。
commissionやswapは利益から引きますか?
符号とレポートの包含範囲を確認します。費用込み損益から再度控除せず、別列ならその費用を一度だけ適用します。
MT5公式はレポート項目によってGrossとProfit/Lossの費用範囲を分けて説明しています。
部分決済したポジションは何月に記録しますか?
本稿の決済日時基準では、一部決済の実現損益はその決済月、残りの決済損益は残りを閉じた月に分けます。
操作や履歴上の区分は部分決済の記事も参考にしてください。
入金をその月の利益に足してよいですか?
取引損益を見たい表では入金・出金と分けます。現金残高の増減を照合するときは別欄に記録します。
この月別表で税金や申告額まで計算できますか?
できません。学習用の月別取引損益表は、税務上必要な書類や所得計算の代わりではありません。
必要な書類・区分・計算方法は、利用業者の公式資料や税務の専門窓口で確認してください。
取引条件の比較とリスクの確認
スプレッド・commission・swapなど、取引コストの項目を整理するには取引コストの解説も参考になります。
業者や口座タイプで費用と計上方法が異なるため、最新の契約書類と実際の明細を優先してください。
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特定業者の安全性や利益を保証するものではありません。
一般的なリスクは金融庁のFX取引に関する注意もご確認ください。
月別損益表は、履歴を同じ基準で整理して過去の記録を読みやすくするためのものです。
将来の利益、安全性、税務上の結果を保証するものではなく、売買や特定の取引数量を勧めるものでもありません。


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